くらしぜん

ほんのひと手間で暮らしは自然になる

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4泊5日の農山村体験プログラム「若葉のふるさと協力隊」

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こんばんは、うみのなかでございます。

冬には畑の石拾いをしよう!と意気込んでいましたが、この時期は畑に日が当たらないため、なんと雪がとけないという事実。雨でも降ればまだ良いけど、最近のカラッカラ具合はなかなかのもんです...

さて今回はNPO法人地球緑化センター主催の「若葉のふるさと協力隊」を青木村で実施したためそのレポート的なやつです。長文なのでお気をつけください。

若葉のふるさと協力隊

主催は「緑、人を育む」を理念とするNPO法人地球緑化センターです。若葉のふるさと協力隊は緑のふるさと協力隊の短期バージョン、各自治体が受け入れをして、現役緑のふるさと協力隊員またはOBOGがプログラムをコーディネートします。

緑のふるさと協力隊に参加する前にちょっと試してみたい、農作業や地域行事への参加を通して農山村の暮らしを体験したいなど参加理由はさまざまですが、ボクはこのプログラムをコーディネートするにあたり「暮らし」を意識しました。よくある田舎暮らしツアーでは観光要素が強かったりしますが、それでは実際に移住してみたい!なんてもちろん思わないわけです。基本自炊としてゴミ出しもします。改めて参加者に対してあれこれ用意するのではなく、普段の暮らしに混ぜてくださいと地域の方にはお願いしました。これなら青木村を好きになってもらえるし、あわよくば移住もあり得ます。

ボクは緑のふるさと協力隊OBですが、この事業は地域おこし的な事業のパイオニアです。若葉のふるさと協力隊は毎年各地域でありますので、田舎暮らしに興味ある方はぜひご参加ください。緑のふるさと協力隊については以下の記事をご覧ください。

スケジュール

  •  1日目:オリエンテーション 歓迎交流会 村内散策
  •  2日目:味噌に関する体験 落花生収穫 壁塗り踊り見学
  •  3日目:刀鍛冶用の松炭焼き キノコ採り そばの収穫 滝山炭焼きの会交流会
  •  4日目:そば打ち りんご葉摘み 報告会準備 ドライフルーツ作り
  •  5日目:報告会

1日目

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若葉のふるさと協力隊の初日、上田駅で参加者と合流した後は、生活圏である上田市の話を交えながら青木村に向かい、青木村役場でオリエンテーションを行いました。総務企画課長のご挨拶とスケジュールの確認をして、いよいよ活動の始まりです。まずは信州昆虫資料館の見学、スタッフさんのご案内により青木村で確認された昆虫や蝶の生態について学びました。参加者は昆虫の知識を面白い話で見聞きすることで終始驚いていたようでした。

建造物の国宝がある「村」は全国で青木村のみです。その国宝大法寺を拝観しました。東山道を旅する人々がその美しい塔の姿に振り返ったことから見返りの塔と言われる大法寺周辺は紅葉真っ盛りで初日を飾るには相応しい美しさの融合でした。その後は昭和に作られた新しいため池の塩之入池を見学、昔から晴天の多い青木村では雨乞い行事も虚しく農民の死活問題になっていました。青木村の歴史を感じることでそこに住む村民の想いに近づくきっかけを意識しながら村内散策をしました。

普段は言えないことをお酒の力で取っ払い、そこに参加者という新しい風を吹き込むべく、青木村役場、村民、近隣協力隊を招待して囲炉裏のある「木子里」で歓迎交流会を開催しました。参加者は村民の取り組みや青木村の暮らしを聞きながら、特産品の松茸を使用した松茸酒、ブランドそばのタチアカネなどを楽しみました。旬の香りと誰もが新たな出会いを体感した賑やかな会場は囲炉裏の温かさと人の温かさに包まれていました。参加者は青木村の寛容さを感じてくれたと思います。

2日目

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無農薬、能率、食農、能力、農業と5つの「のう」を大切にしている農家さんの栽培を見学して、昼食で天ぷらにする春菊などの野菜を収穫しました。無農薬栽培だからこそ虫が付く話、長い期間出荷したり食べたりするために工夫していることなど、青木村の気候と相談しながら暮らす姿に参加者は感動していました。

旧宅の味噌蔵に移動して味噌のたまりを味見してそのしょっぱさと不思議な風味に驚きました。麹をつくる部屋、大釜、味噌のレシピを見学、さらには原料である大豆を村の団体の顧問として一緒に作っていることなど、味噌に関することを体感しました。大豆は東信地区の一部で栽培されている地豆「こうじいらず」、麹がいらないほど甘いと言われる大豆を知り、昼食がより楽しみになりました。

昼食は手作りの味噌を使用した味噌汁を作りました。ダシを入れていないのになんでこんなに美味しいのか…自然に笑みがこぼれます。参加者は自分が調理した天ぷらはモタッとしてパリパリ感がないのに対し、元栄養士の農家さんが揚げた天ぷらは時間が経ってもパリパリしていて美味しいことに技術の違いを痛感しました。そして松茸ご飯の香りに感動!炊き込みご飯の味付けは炊く前に味見して薄いくらいが調度良いなど、料理のことを楽しく学びました。

午後は落花生の収穫です。青木村では落花生のことを地豆と呼びます。初めて落花生が地面になっている様子を見て驚き、初めて茹で落花生を食べて驚き、参加者は驚きの連続でした。この日は四角豆、ルバーブ、食用ほおずき、金時草、杜仲、ハックルベリーなど初めて知る植物や野菜を見ては味見して楽しみました。お茶の時間は特産品の杜仲茶、初めて自分で採った甘柿などをいただきながら、さぜ(松葉)、ぼてす(わらびの葉)など青木村の言葉について学びました。

当郷地区の壁塗り踊りを体験しました。上田城築城の様子を再現した踊りは1/3がアドリブで行われます。リズミカルな音とコミカルな踊りは見ていてとても楽しく、全体的に見ようとしても、動きが面白くて1人を目で追ってしまいます。要はパントマイムだと言われ体験してみるものの簡単には出来ません。伝統的な文化を体感しました。

3日目

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昔は武器、現代では美術品になった刀は刀鍛冶により松炭を使用して作られています。刀鍛冶用の松炭釜は全国でも有数です。青木村には豊富な赤松があるため、それを活用して松炭作りをしています。今回は原料を詰めていく作業に挑戦しました。まずは敷材を地面に並べて、原料の赤松を釜の中に入って縦に詰めていきます。この時の詰め込み方で収量が変わるとのことで、ケーブルテレビの取材を受けながら、なんとか綺麗に詰め込みました。途中で山水を引いている現場に行ったり、原木栽培のなめこを見たりと周辺の環境も楽しみました。お昼は炭窯から少し登るとある紅葉と水色が美しい滝山ダムの近くで昼食、作業後に外で食べるお弁当は最高でした。

午後は山でキノコ採りをしました。初めて見る天然キノコを探すのに一苦労、食べられるチャナメツムタケを教えていただき遊び仕事を経験しました。他にも稲刈り、荒縄作り、玉ねぎ苗の定植と少しずつ様々な作業をすることで昔からの専業農家の仕事と暮らしを知りました。

夜は松炭を作っている滝山炭の会の方々とBBQ交流会を行いました。松炭を作り始めた経緯、里山の活用、地域づくり、刀鍛冶という職業についてなどを聞いて、午前に体験した炭焼きを今度は知識として学びました。焼肉はこの日に民泊した堀内農園さんが育てていた羊肉をいただきました。実は午後の田んぼアートの稲刈り後にはある言葉が現われていました。それは「いのち」、参加者はいただくという言葉の意味を実感したと思います。

4日目

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そば打ち体験をしました。初日の交流会ではプロが打ったタチアカネ十割そばを食べましたが、今回は自分たちで打つ二八そばです。前にそば打ちをした時は不味くて良い思い出がないという参加者は丁寧にそば打ちを教えてもらい、こんなに自分で作ったそばが美味しいなんて…と大満足のようでした。先生が青木村にそば打ち人口を増やしたいという想いをお話ししていて聞き入っていました。

午後はりんごとぶどうを広大な畑で栽培している農家さんとドライフルーツ作りをしました。りんごの芯取りに四苦八苦しながらも、それが終わればあとはスライサーで切り、乾燥機に入れるだけの簡単な工程に驚いていました。りんごの葉摘みとぶどうの収穫も体験して、最後は時間が出来たのでぶどうのドライフルーツにも挑戦しました。房から実を取り、水の中で洗いながら選別をして、機械に入れるだけのこれも簡単な工程です。それでも手間はかかっていることを知り、その分だけ味が凝縮されたドライフルーツは最高に美味しかったはずです。

自炊した夕食の時に協力隊や進路についての話が盛り上がり、報告会準備は夜遅くまでかかってしまいました。いざ準備し始めれば2人なのにいつの間にか付箋紙は模造紙いっぱいになり、これを見ながら発表しようということになりました。急遽予定になかった雲海を見に行ったり、満点の星空を見たりと印象に残ったことを絵にまとめて準備しました。

5日目

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朝から宿舎の掃除に荷物をまとめて朝ごはんも作ってバタバタと時間は過ぎて報告会が始まりました。食べ物、体験、考えと3つにまとめて、それぞれが感じたことを話すスタイルで報告は進み、2人の想いを届けました。村長から次回は青木村の歴史と教育を知ってほしいと写真入りの参加証をいただき、また来なねというムードの中、全日程を終了しました。

まとめ

ご協力してくださった方々のおかげでとても充実した4泊5日を過ごせました。2人という少ない人数だからこそ出来たこともありました。村民の方々との交流と体験を通して、今後の進路と田舎で暮らすことの意味を考え、協力隊事業にも理解を示してくれました。最終日、電車までの時間に村内の御食事処恵さんにお邪魔してとても豪勢なお料理をいただき、上田城を見学して見送りました。最後の最後の握手で2人のとても爽やかな顔を見られて、とても実りある時間だったと感じました。

ではでは!